私は高校生の時、軽音楽系の部(正式名称は恥ずかしくて言いづらい)でしたんで、いろいろな音楽を聴いていました。特に友達から伝わってくる、今まで知りもしないバンドの曲が新鮮だったものです。
 高校に入るまではポータブル機など持っておらず、旅に行く時はカセットテープに録音した上で母親のポータブルカセットプレイヤーを借りていったものです。よく音楽を聴くようになると、自然とMDが気になりだしました。興味を持つまではどういった物なのか全く分かっていませんでしたが、頭出しの手軽さや曲の管理、携帯性など非常に先進的に感じて感動しておりました。
 そのうちに使っていた録音可能なポータブルMDプレイヤーは兄に譲り、再生のみ可能な薄いプレイヤーを新たに買ったのですが、何年も経ち、MDも音飛びがひどかったり電池がもたなくなってきたり…果ては昔からは考えられないような便利な物が普及したため、これを買う事になったのです。


SONY NW-A608

 SONYのメモリータイプのウォークマンです。容量は2GBでカラーはヴァイオレット。SONYのサイトで見られる写真ではかなり青っぽいですが、実物はもっと紫らしい色でした。私のディスプレイで見ると上の写真の方が実際の色に近いかな。ちょっと黒っぽくなりすぎましたが…。
 巷ではポータブルミュージックプレイヤーと言えばApple社が圧倒的なシェアを誇っています。半分以上だったかな?私も買うならiPod、大容量のがいいなと思っていましたが、これに落ち着いたのにはいくつか理由があります。
 まず電池の持ち時間。公表では50時間程度とされていて、実際にそのくらい持つのではないかと思うほど電池が減りません。ディスプレイをすぐ消灯させる設定にしているおかげもあるでしょうが、思った以上の性能でしたので満足しています。またリチウムイオン電池を採用しているため、メモリー効果による電池の劣化が無いと言われているのも安心です(原理を分かってないので本当に信用していいのか未だに半信半疑ではありますが)。
 続いてですが、FMラジオが標準で装備されておりプリセット選局で楽々聴く事ができます。しかし携帯電話A5503SAのラジオと比べると、多少雑音が入りこむ感はありました。また、ラジオは意外と電池の消耗が激しいらしいです。とは言っても、手持ちの曲に飽きた時など重宝します。
 重要な事として、SONY独自に採用しているATRACという圧縮形式。MDでも使われていたようです。これを使用すると、ギャップレス再生が可能になります。一般的には連続再生しても曲と曲の間に間隔ができてしまうそうなのですが、この形式を使うとCDのような再生ができます。ライヴを録音したCDなどで大きく効いてきますね。  あとはデザインです。やはり自分が惹かれる見た目でないと愛着が沸かないのです。携帯電話は機能の面からはほぼ文句なしなのですが未だに昔使っていた電話のデザインの方が好きで、今のはどうもしっくりきません。デザインはとっても大事。

 こちらは裏側。表の透明樹脂とは違い、金属が全体を覆っています。サラサラとした触り心地で指紋はつきません。注意書きやシリアルナンバーはシールで張ってあります。
 右上に見えるボタンでリピート設定・サウンド設定を行います。サウンドはプリセットであらかじめ高音・低音に分けてある程度の範囲内で強調ができますが、初期設定の軽い低音強調でも少しどぎついかな…。私にはノーマルのやつが一番いいバランスなんで使ってません。

 先っぽのコネクター部です。携帯電話の下部のように、ゴム状のキャップをめくってコネクターを出します。専用のコードが付属しており、パソコン側はUSB、ウォークマン側は凸の字を横に引き伸ばしたような形のやつになります。

 ↑付属のコードはこんなやつです。最初は断面を撮ろうとしたんですがオートフォーカスだとピントがなかなか合いません…。USBメモリとして使おうとすると、このコードも持っていかなければならなくなります。豆の形をしてるウォークマンもあるんですが、それは本体にUSBコネクタが収納されていて、そういった用途で使うには便利そうです。

 こちら側にはイヤホンのプラグを刺します。操作も大体この辺りに集約されており、ボリューム調整ボタンが見えます。選曲は丸いところをひねります。手前に引張ればアルバム単位の選曲、奥へ押し込めばホールドモードとなります。

 「SEARCH MENU」ボタンを押したところです。アーティスト、アルバム、ジャンルなど様々なサーチ方法が用意されています。アーティストからの絞込みを主に使います。これの良い所は漢字表記も自動的に判断して50音順にソートしてくれる事。特殊な読み方だと無理ですが、常識的な範囲ではちゃんと働いてくれるので便利です。
 写真だとかなり有機ELがかなり薄く見えますが、実際はとってもくっきり。直射日光下ではほとんど見えないという話ですが、屋内、特に暗い所での視認性は抜群なのです。ちなみに本体色によって文字の色は変わってくるそうなので、購入を考えられる方は注意して下さい。ヴァイオレットですと緑色です。
 「DISP FUNC」を押すと、様々な表示に変わります。無駄にスクリーンセーバーも充実していて、熱帯魚もタツノオトシゴやらフグやら数種類住んでおります(でも普段はパワーセーブを最大にしているので何も表示されませんが…)。

 純正の革ケースCKM-NWA600に入れた所です。この状態でカラビナを使って腰に下げて使っています。サードパーティー製の製品にはディスプレイの窓が空いているのが多いですが、その場合の入れっぱなしと違い使う度にデザインも楽しめますし、この製品だとクリアランスがかなり取ってあって出し入れし易く、使い勝手も問題ありません。
 問題は止め具が少々弱くて頼りない事と、真っ白なんで汚れが目立つ事。もっとも、止め具が外れた事はまだありません。白色は本体の色を生かす意味では良いのですが、ナチュラル色くらいはあっても良かったかなと思います。でも全体的には満足。

 さて20日ほど使ってみての感想ですが、まずメモリータイプのプレイヤーが初めてという事で…便利すぎてMDには戻れませんね。MDの頃は本体+メディアを持たねばならず、結構かさばりましたがこれは携帯電話を持って行くくらいの手軽さです。重量はiPod shuffleと比べるとズッシリ感がありますが、身に付けるとほとんど重さを感じません。ここまでいくとどれも同じなのかもしれませんね。
 音については良いという評判です。私もなかなかだと思いますが、サーというホワイトノイズが結構気になります。曲の間に小さいものの「ブツッ」とノイズが入る事もあり、ちと残念。他のもそうなのかな?曲が鳴っている間は気にならないのですが。
 このウォークマンはハードウェアの出来としてはあまりネット上でも不満は聞きません。しかしそれと対照的にソフトウェア、CONNECT Playerの出来の悪さに不満ブーブーとなっています。購入前からそれはよく知っていたのでどんなに酷いものかと思っていましたが…何回かアップデートが行われ、幾分マシにはなっていたようです。それほど致命的ではありませんでした。が、結構不満はあります。まず重い!画面をスクロールしたいだけなのに10秒くらい固まったりしてイライラ。また、ネットに繋がらないデスクトップに曲を入れたので曲情報を手で入力していったのですが、非常に入力しにくかったりと細かい部分は改善点がいっぱいです。しかし人によってはライブラリが消えた等の様々なバグが出ている模様なので、私はだいぶスムーズに使えてるようです。
 フォーマットはATRAC系、MP3、WMAが再生可能です。AACへの対応予定もあるとか無いとか。あ、あとこの製品の特徴として「インテリジェントシャッフル」というのがありますが、私はもともとシャッフル機能を使わないんでこの機能もあんまり使ってません。よく聞く100曲のシャッフル、アーティストリンクシャッフル(近いジャンルのアーティストをリンクさせてシャッフルする。ネットに繋いでないと使えません。)、タイムマシンシャッフル(ランダムに選ばれた1年に発表された曲の中でシャッフル)、スポーツシャッフル(指定した時間内でシャッフル。フットネスクラブなんかで使えという事らしい。辞めた所なのに!)

 以上、(2005年大晦日の時点での)新型ウォークマンの紹介でした。気に入って使っております。

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